勝ち馬投票券というように競馬は一番勝ちそうな馬を買う。パチンコだと一番出そうな台で打つ。
これを株で言えば、一番値上がりしそうな株を買う、一番値下がりしそうな株を売る、ということになるのだが、これ、儲かりそうで一番損するやり方だろうと思う。一番値上がりしそうな株を売って、一番値下がりしそうな株を買う。これをやらないと株はもうからん。下がったらさらに買い増しする。理屈で言えばそうなるが、なかなか心理的抵抗があってできない。今、トランプ関税のせいでバチボコに株が下がっているところでさらにナンピンする。たぶんそれが正解だが、じゃあどのくらい安くなれば買えばよいのか。まだまだ下がるんじゃないか。まだ下がってる途中なのじゃないか。
上がってる途中の株を買うのも、下がってる途中の株を買うのも、損するときは損するし、得するときには得する。
何が言いたいかといえば、競馬やパチンコなどの博打と、株では、心理的抵抗の向きがたぶん真逆なんだということ。どちらも下手くそは、得をしようとして結果的に損しているだけのことなんだが、博打は買うときはわくわくして、外れるとがっかりする。株はそもそもいつもひやひやしながら買っている。みんなが期待に胸を膨らませ頭に血がのぼっている勢いで人は馬券は買う。逆に株はみんなが意気消沈している時に買うのが良い。
株をわくわくしながら買っている人というのはつまりS&P500とかNYダウなどが永久に値上がりし続けると思っているような人だろう。今まで10年ほどはだいたいそうだった。100年スパンでみれば確かにそうだ。S&P500はしかし10年間ずっと下がっている時もある。私は日本がバブルでアメリカ経済が低迷している頃を経験している。アメリカ経済とかS&P500なんてものはまやかしなんじゃないかとも思っている。結局日本の製造業が一番着実で安全なのではないかと思っている。だから今はあんまりぱっとしないカシオなんかをコツコツ買ったりしているのだ。
いずれにしろ今トランプがやっていることは過冷却状態になっているところへ外からわざと振動を与えているようなもので、それでトレンドが変わるのであれば遅かれ早かれ、トランプがやろうとやるまいと起こっていたことであり、トランプのせいというよりは、ここまで経済をこじらせてきたアメリカという社会のせいというしかあるまい。日本のバブルが総量規制ではじけたようなことがアメリカで起きないとも限らない。それならそれでしかたない。
いずれにしても今、日本では、企業の業績が悪くて株が下がっているのではないのだから、安ければ買いであろうと私は思っている。実際、上がる株は上がっている。伊勢丹やみずほ銀行のように上がりすぎた株は下がるであろう。しかし同じ金融でもトマト銀行などは大して影響を受けていない。