中野重治

> おまえは歌うな

> おまえは赤ままの花やとんぼの羽根を歌うな

> 風のささやきや女の髪の毛の匂いを歌うな

> すべてのひよわなもの

> すべてのうそうそとしたもの

> すべてのものうげなものを撥き去れ

> すべての風情を擯斥せよ

> もつぱら正直のところを

> 腹の足しになるところを

> 胸さきを突きあげてくるぎりぎりのところを歌え

> たたかれることによつて弾ねかえる歌を

> 恥辱の底から勇気を汲みくる歌を

> それらの歌々を

> 咽喉をふくらまして厳しい韻律に歌いあげよ

> それらの歌々を

> 行く行く人びとの胸廓にたたきこめ

知ってる。
詠んだことあるよこの詩。
悪い詩じゃないよ。
まあ良いんだよそういう、プロレタリア文学というものがあって、
マルクス主義者で共産党な詩人がいるのは。
しかし、中野重治に本居宣長を批判させてそれを解題に載せるというのはかなり悪意を感じないか。
公平な態度とは言えない。

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