ディアーキー

スパルタは君主制ではあったが、モナーキーではなかった。スパルタには常に王が二人いたのでモナーキーではなくディアーキーと言うべきなのである。このディアーキー状態が500年以上に渡って、ほぼ純粋な形で持続したらしいのだが、私は他に類例を知らない。ローマ帝国など見るとディアーキー状態は不安定で一時的なものに過ぎない。 スパルタはアテナイほど饒舌でなく、自ら何も歴史を書き残さなかった。だから私はエウメネス4で、スパルタの王制をほとんど推測で書くしかなかった。 私はスパルタを原始共産王制と表現してみた。蟻や蜂の群れと同じく、王や女王はいるが、彼らも他の個体と同様に分業しているに過ぎないのだから、一種の共産制であると言える。 スパルタが建国当初から安定してそのような政体を維持し得たのは驚くべきことのようでもあるし、必然でもあったようにも思える。彼らはまさに蟻であり、蜂であったのだ。全体主義。滅私奉公。

特務内親王遼子の蓬莱国もモナーキーのようで実はディアーキーだったというのが落ちで、広げた話になんとか落ちを付けるための苦肉の策だった。スパルタの事例は知らずに書いた。ある意味、事実は小説より奇なりだなあとおもう。

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