イスラムと酒

イスラム教徒の中でも、トルコ人は比較的酒を飲むようだ。
ケマル・アタテュルクも大酒飲みだった。

クアルーンには、

> またナツメヤシやブドウの果実を実らせて,あなたがたはそれから強い飲物や,良い食料を得る。本当にその中には,理解ある民への一つの印がある。 (16:67)

という、酒への言及もあるが、

> 彼らは酒と掛け矢についておまえに問う。言ってやれ、「そこには大きな罪と人々への益があるが、それらの罪は益よりも大きい」。
彼らは、なにを施すべきかとおまえに問う。言ってやれ、「余分なものを」と。
こうしてアッラーはおまえたちに印を明らかにし給う。きっとおまえたちは考えるであろう。(2:219)

> 信仰する者よ,あなたがたが酔った時は,自分の言うことが理解出来るようになるまで,礼拝に近付いてはならない。 (4:43)

> あなたがた信仰する者よ,誠に酒と賭矢,偶像と占い矢は,忌・嫌われる悪魔の業である。これを避けなさい。恐らくあなたがたは成功するであろう。 (5:90)

> 悪魔の望むところは,酒と賭矢によってあなたがたの間に,敵意と憎悪を起こさせ,あなたがたがアッラーを念じ礼拝を捧げるのを妨げようとすることである。それでもあなたがたは慎しまないのか。 (5:91)

とある。
(2:219) は、酒や博打は益も害もともに多いが、害のほうが多い、と言っているに過ぎない。日本人でもそのくらいのことは言う。
(4:43) では、酒に酔っているときには礼拝をしてはならない、というのであるから、夜の礼拝の後飲んで、夜明けの礼拝までに酔いがさめていればよい、と解釈することもできる。
酒に酔って礼拝するくらいなら、礼拝しないほうがよい、という程度の軽い警句にさえ解釈できる。
(5:90)、(5:91) はかなりきつく飲酒を戒めている。だが、飲酒がいけないのは、礼拝を妨げるからだ、とも解釈できる。酒を飲むといきなり地獄に落ちる、というわけではなさそうだ。
だがまあ、原理主義的に考えれば、酒は飲まないに越したことはないのだろうが、飲酒厳禁とまでは言ってないような気がする。

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