天譴

天災は多くの場合人災でもあり、今中国が百年に一度の洪水などと言っているのは、地方政府の財政が破綻していて、治水工事に金をかけている場合じゃないからではないか。大雨というものは毎年年中降っているのであって、地方政府に潤沢に予算があれば堤防決壊などの被害はある程度未然に防げるのではなかろうか。

中国の王朝交代にはおおく天災、特に洪水や蝗害が起きたという。イナゴの被害が人的努力である程度防げるのかどうかしらんけど、中央政府はまだ息していても地方政府が疲弊してゾンビ状態になり、社会保障もできないから、そこから社会混乱が拡大して革命にいたるのではなかろうか。単なる自然災害のせいではないし、まして天譴などというようなたぐいのものではあるまい。

洪水だけではない。中国はおそらく道や橋、鉄道のメンテナンスをしていないのだろう。公共事業はやらないよりはやったほうが良いが、やりっぱなしではすまされない。技術者にはもちろん、作ったあとのメンテナンスが大事だという発想がある。財政に余裕があれば政府だって雇用創出のため支出するだろう。しかし今の中国の状況ではたぶんまず一番地味でわかりにくいところ、つまり社会的インフラのメンテナンス予算を削るに違いない。そうなると電車は脱線するし橋は落ちる。電気もガスも水道も止まる。すべては人災だ。

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