山家物語

[山家物語](http://p.booklog.jp/book/33122)、これは、私の小説の中では、長さは比較的短いが、一番手加減無しで書いたものと言って良い。
同時に非常に難解だろうと思う。
それで無料にしてみた。
最初から最後まで、数回読まないとたぶん理解できないと思う。
部分的に試し読み設定にするとわけわかんなくなると思う。
いちいち「泊川院」とか「世明帝」などの変名を使っているのもうざいと思う。
全部実名で書くことは可能だが、それはやりたくなかった。いろんな意味で、はばかられる内容だからだ。
とにかくフィクションだってことは強調したい。フィクションですから、これ。
その代わり清盛とか頼朝などは実名で出てくる。
そのあたりのところは察してほしい。
というか、そのあたりを察するってことが非常に難解なのだよねえ。
主人公の円心という坊さんについても正体はばればれなのだが、
99%の読者は円心が誰かということに気づくまでに疲れて読むのをやめるだろうと思う。

無料にしたのは、あまりこのネタに値段をつけたくなかったからでもある。
もちろん書籍として出版できていたらそれなりの値段をつけることになったと思うのだけど。
ていうかあまり商業的とは言えない小説だよね、これ。

最初はこれ、「平安仏徒列伝」というタイトルになるはずだった。
円心以外にも西光、信西、清盛、後泊川法皇などの仏弟子たちがたくさんずらずら併記される的なもの。
特に、最初は清盛と後泊川法皇が同時受戒する辺りをBL風に描くという設定だった。
書こうと思ったが私には書けないってことに気づいた。
その上途中から円心のことが面白くなり、というか彼のモデルは有名な歌人なのだけど、
調べれば調べるほど、その歌も、生涯も、ただこれまでなんとなしに聞いていたのよりもはるかに面白いということがわかったので、
いつの間にか彼が主人公の話になってしまったのである。

※これは「西行秘伝」のことである。

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