東京の東側

近頃は浅草辺りで遊ぶことが多いのだけど、私はこれまでずっと東京の西側ばかり暮らしてきたから、東側が新鮮に感じる。上野のガード下なんかは割と好きだったが、今ではただもうタバコ臭いだけで、あの辺の立ち飲み屋に行ってもただおっさんばかりがいて食い物も別にうまくはないから面白くない。上野をさらにひどくしたのが北千住で、この世の地獄みたいなところだ。

しかるに浅草、赤羽、松戸なんかはそれほど煙たくないから不思議である。ほかにも流山の初石なんかはとてつもなく煙い。

松戸は悪くないんだがみんなビルになってしまっていて味気ない。浅草は浅草寺が持ってる土地はだいたい二階建て、三階建てくらいの古い建物が残っていて、そういうところは楽しい。ホッピー通りは全然楽しくない。赤羽も東口の飲み屋街はやはり低層の家ばかりで、再開発を逃れているのが良い。

浅草のすごいところは、若い女が一人または二人連れくらいで平気で立ち飲み屋で飲んでいるところで、こういう光景は新宿や中野辺りではめったにみない。町田でもほとんどあり得ない。いや、いるにはいるけどたいていそういう女は常連で、しかし赤羽浅草辺りはどうも一見の客か何かで、ほんとに目立つ。酒飲みの文化が全然違うように思う。

こないだ吉原のおおとりの市にも行ったのだが、近頃は縁日やテキ屋も紋々の入った人もなかなかみかけなくなってきたが、ここはものすごい。こういう世界がまだ日本に残っていたんだなと驚く。

それでホテルは山谷あたりが一番安い。トイレシャワー共同のシングルの部屋が3000円くらいから楽天トラベルである。楽天トラベルなんかにでてこないけど2000円くらいのいわゆる日雇い労働所が泊まる部屋もたくさんある。屋内はマジックリンみたいな強い芳香剤の匂いで古い木造家屋や下水の匂いを無理矢理抑えてあるような感じで壁はペラペラに薄いがトコジラミ(南京虫)さえでなきゃまあ別にかまわない。山谷から少し外れてると、例えば赤羽辺りだと5000円くらいが最低ラインみたいだ。とにかく山谷は安い。

これが賃貸だと浅草周辺よりは赤羽辺りのほうが安い。どちらも古い風呂無しアパートがそのまんま賃貸に出ている、つまりほかの街ではとっくに消滅した物件が現役で、それを貸している大家さんも多くて、それでこの値段になっているわけだ。だがいずれにしても月5万円くらいはどうしてもかかる。年に80万円くらいはどうしてもかかる。となると週に1回飲みに行ったときに3000円くらいの部屋を借りて酔っ払ったらすぐ寝て、朝は散歩でも楽しむってのがずっと経済的で合理的ってことになる。

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