あさか山

あさか山 影さへ見ゆる 山の井の 浅き心を 我が思はなくに

安積香山の影までも見える澄んだ山の井のような浅い心では私は思っていないのです

小学館の「日本古典文学全集」など

いや、なんか違うんじゃないかなこの現代語訳は。井戸をのぞきこんだとき自分の姿が映って見えるほどに浅い井戸、水鏡の代わりになるほどに浅い井戸、そんなあさか山の井戸のように浅い心で私は思っているわけではないのだが、と言っているのだと思うのだが。
そもそも井戸の水が澄んでいるのは当たり前だと思うが。「澄んだ井戸の水のように浅い心」では意味がわからんだろ。

なんだかなあ。どうしてこう精神論的な解釈をしたがるのか。もっと感覚的・映像的に考えれば良いだけだと思うが、国文学者というのはそういう言語による視覚的表現にうといのではないかとしか思えない罠。万葉時代の歌を新古今的幽玄な解釈をして失敗している典型の一つか。

上意討ち

三船敏郎主演「上意討ち ― 拝領妻始末 ―」というのを借りて見たのだが、想像と違って陰々滅々としたやな感じの映画。こんなのだれが好きこのんでみるのかと思った。養子に入って何十年も嫌みな妻に我慢してついにぶち切れてお家断絶、息子も嫁も全部死んで最後は自分も死ぬ。

終わりのほう、仲代達矢との立ち合いは椿三十郎のエンディングに似たデジャブ感。その後鉄砲隊に三船敏郎は殺されてしまうという落ち。

というか、こういうのを上意討ちというのか。つまり主人公が上意討ちにあったということなのだよな。主君の命で上意討ちにいく侍が主人公なのかと思うじゃないですか。

楠公別子図

頼山陽詩集など読んでいると、「楠公別子図」という題で「海甸の陰風、草木腥し」というのがある。
乃木将軍の「山川草木転た荒涼、十里風腥し新戦場」によくにている。
ちょっと驚いた。乃木希典が頼山陽の詩を読んでないわけがなく本歌取りのようなものか。
そう思って読むと乃木将軍の詩は頼山陽に比べると軽いというか、新聞の三行広告的というか、明治の軍人的な勇ましさがみえるように思えてくる。
郭沫若が「日本人が作った漢詩の最高傑作である」と絶賛したそうだが、さて。
私もずっとそういうもんかと思っていたが。
そうしてみていくと「金州城外立斜陽」の辺りも菅茶山「送別」の中の「斜陽満古城」から来ているのかと疑われるくらいだ。

「嗚呼忠臣楠氏之墓」と言ったのは、頼山陽の詩ではなく、明朝の儒学者・朱瞬水で題字は水戸光圀だったのだな。

野口英世

いつもよくいく飲み屋で、おつりに千円札をもらって、野口英世をつくづく眺めた。裏返して、富士山と山中湖か何かの絵が描いてある。おいおい、野口英世ならば猪苗代湖と磐梯山じゃなきゃだめだろうと思った。

飲み屋の知り合いで郡山支店の店長になって、こっちに帰って来たひとがいたから、会津若松とか、野口英世記念館とかとかどうですかと聞いてみたのだが、会津若松はただの田舎、つまらん、野口英世記念館はただの小民家、猪苗代湖は何もないただの田舎だと言われた。私としては、小田原の、二宮金次郎記念館で感動できたタイプだから、たぶん野口英世記念館も楽しめると確信しているのだが、要検討かも。

志を得ざれば再び此の地を踏まず。 いいなあ。ただの田舎でもいい。野口英世が自ら柱に刻んだというその文句がみたい。ただそれだけ。それから、中田の観音様にも行ってみたい。

今日のカラオケ

今日もいつもの店でカラオケを歌った。
敏いとうとはっぴーアンドブルー「よせばいいのに」
中条きよし「うそ」

なんかねらいすましたように、ものすごく暗くて重い歌うたっちゃいました。
こういう歌は子供の頃意味もわからず聞いてたもんだから、なぜかすらすら歌えちゃうんですよね。年を取って歌ってみると意味が分かりすぎてみんなずーんと落ち込んでしまうのです。

Resistance

イギリスではPS3が結構売れたようで。
やっぱみんなResistanceがやりたかったのかなあ、イギリス人的には。
ちなみに多少進展がありました。テムズ川まできました。ラストまでもうすぐ、なはず。

Half-Life: Opposing Forceはさくっとクリアした。なんか、途中からぜんぜん以前にやった記憶がないので初クリアだったかも。ただ忘れてただけかも。ひさしぶりにかつての洋ゲーっぽいめちゃくちゃなゲームバランスを堪能した。

Half-Life Opposing Force

ゲームセンターCXを見てたらひさびさにゲームをやりたくなり、手近にあった Half-Life Opposing Forceをやり始めた。

3時間くらいやったら気分が悪くなってきた。これはもしや3D酔いというものかー。久しぶりだ。

ゲームセンターCXをみてて思うのはなんでゼルダとかマリオとか魔界村とかただ苦しくてつらいだけのゲームをみなやりたがるのかということで。私からみると苦しみばかり多く爽快感というものがないようにみえる。

アメリカンソルジャー

アメリカンソルジャーも最初から最後まで一応きちんとみましたよ。イラク戦争後駐留してて一番たくさん米兵が死んだ一日、ということかな。素材は良いが演出も演技もどうなのかと。

イラク人の攻撃が、荷台につったったままとか開けた場所に無防備に直立したまま銃を撃っててやられる場合が多いのだが、そりゃねえだろ。いくらイラクの民兵といえど、物かげに隠れながら撃つよな。あと米兵の弾が尽きてイラク人が大喜びしてあほみたいに突撃していってナイフで次々にやられるシーンとか。あり得ないだろ。

あと、「解放してやったのになぜ攻撃されるんだ」とかいくらアメリカ人の新兵でもそんなお気楽なこと考えてるやつが戦場にいるかと。アメリカ臭強杉。ジャーヘッドもだが。ブラックホークダウンの方が何倍も良作。