まだまだ上がるアメリカ株という記事を以前に書いたのだが、雇用統計も悪く失業者は増え、貧乏人はどんどん借金漬けになって行き、物価も高止まりして上がることはあっても下がることはないのだが、株価は相変わらず上がっている。
つまり株を買うような連中は別に何にも困ってなくて逆にますます収入があって、余った金を投資しなきゃならないからさらに株を買う、という循環になっているのではないか。ここで慌ててブレーキをかけて金融引き締めしたり利下げしたりすると景気が冷え込む。そうした政府の政策のせいでリセッションが起こる。逆に、貧乏人を犠牲にしてますます借金漬けにして景気を過熱させれば、最悪でもソフトランディングで済む、とアメリカ政府は考えているのではなかろうか。経験則で言えばそういう結論にならざるを得ないだろう。
国民全体の福祉とか考えちゃいない。日々の生活にも困る路上生活者があふれてもかまわない。格差社会になっても構わない。それよりか、ともかく景気を冷やすのが一番悪手である。すがすがしいまでにそう開き直っているようにみえる。アメリカって結局、一部の軍事産業か国際企業ががーっと儲けて、貧民はそのおこぼれで生きていく、という社会なんだろう。
景気を冷やさないためには治安が悪化しようとかまわずどんどん移民を受け入れ、貧乏人に借金させなきゃならない。なに、アメリカの一部がスラム化しても全体として健全ならそれでいい。もちろん金持ちも借金しまくって、キャリートレードで利ザヤを稼げばそれで良い。経済を回すには借金しかない。アメリカ人はみんなそう思ってるフシがある。明らかにバブルなんだが、これまでいろんなバブルを経験して、日本のバブルも観察して、中国のバブルも観察して、それで自分たちだけはうまく立ち回れると思っているのではなかろうか。
つまりアメリカはついにバブルをつぶさないコツをつかんだのかもしれない。それは、いくら失業者が増えようと、景気が落ち込まない限りにおいては、貧乏人にはどんどん借金をさせ、破産させ、会社は倒産させる。そうすれば金持ちは安心してどんどん借金して株や不動産を買って、運用するから社会は回っていく。日本みたいに総量規制なんかして急ブレーキを踏むからいけない。ブレーキは絶対踏んではいけない。それが国家経営の極意なのだ。