世の中はうるさい

農家はうるさい。一年中、朝からうるさい。農家は工務店や工場と同じくらいに自分の家の隣にはありたくないものだ。私たちはなにか牧歌的なイメージで農村とか農家というものを考えるが、実際農家の隣に住んでみると実にいらいらする。また、第一種低層住宅地には工務店のようなものはないけれど、そういう規制のないところにはけっこう工務店があったりして、そういうところではきまぐれに板金を叩いたりするから油断できない。古い農家の納戸か何かのように見えて実は中で機械を使って作業していたりする。まったくもって油断できない。少し田舎にいくと雑草や植え込みなんかがいたるところにある。それを原動機付きチェンソーで朝から晩までずっと刈っていてうるさくて仕方ない。

かといって住宅街の中もまったく静かではない。まず自動車。冬場は延々と暖気運転するやつがいる。ドアをやたらと何度も開けたり閉めたりするやつがいる。ケルヒャーで外壁をしつこく洗浄するやつがいる。ときどきバイクをもちこんで空ぶかしするやつもいる。深夜三時になると原付で新聞を配達しにくるがこれがまたうるさい。あと、小型犬だから鳴き声もかわいいでしょうと遠慮なく窓を開けっぱなしで無駄吠えさせるやつもいる。非常にうるさい。

バイクにしろ自動車にしろ、ガソリンエンジンの車はうるさいし臭いので早く絶滅したほうが良い。電気自動車が別に好きというわけではないのだが、せめて街中は電気にすべきではなかろうか。街中は無人運転のタクシーみたいにしてシェアするのが一番良いと思う。

私のような人間の場合鉄筋コンクリートの建物の地下の宿直室みたいなところが静かで快適でよく眠れるのだろうと思う。ひとけがなくて、冷蔵庫と簡単なキッチンがあって、ベッドとシャワールームがあって、クローゼットがあって、歩いて近くにトイレがあればよい。近所にスーパーとホームセンターとコンビニがあるとなお良い。というか、そういうところは探せばいくらでもありそうなものだ。

とにかく周りに人がいるといらいらする。朝は朝日があたる部屋じゃなきゃいけないという人もいるようだが私は別にどうでもよい。朝日なんかなくたって普通の精神状態で暮らせると思う。

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