脳科学的にどうこうという

二十代の頃は、空から鳩が飛んできて頭に止まるように、
霊感が空から降りてくるような感覚に襲われることがあるのだろう。
それは二十代の脳というものがそんな仕組みになっているからだろう。
生まれてから、十代を経て、脳の機能が完成へと向かう。
知識も爆発的に増える。
しかもそれらは何もかも新しくておもしろい。

鳩が頭に止まったなと思ったら、ぼーっとしていてはいけない。
三歩あるくと忘れるというが、霊感が宿ったら、直ちにそれを「゛言葉」や「図」に置き換え、整理し、記録し始めなくてはならない。
霊感を授かる作業と、それをまとめ形にする作業はやや異なる。
気持ちの切り替えが必要だ。
鳩が頭に止まってくれても、知らずに百歩も歩いているうちに鳩はまたよそに行ってしまうだろう。

四十代の脳はそういう風にはなってないらしい。
ちかごろまったく鳩が頭に止まりにこなくなった。
二十代のころは、せっせと鳩を捕まえるのに忙しかった。
三十代のころは、鳩がなかなかこないので、一生懸命待ち伏せした。
今はまるで来ないのでもう諦めた。
昔つかまえた鳩をいじくり回してその経験だけで生きている感じだ。
まあしかし経験というのも必要ではある罠。
二十代のころは親兄弟に経験者がいればも少し楽だったかもしれない。
だがわが肉親たちの経験というものは、私にはあまり役立たなかったように思う。

四十過ぎても預言者のような妄言を吐きまくる人たちがいるが、
普通に考えれば、狂言なのだろう。
経験によって、かつての預言者だった頃の自分を演じているというか。
たぶんそんなところだな。

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